Muranaka Diary2000-2017

お疲れさま

静寂の中で一斉に鳴り響き始める小刻みなそれは
逃げることのできない時が刻み始めたハサミの音・・・。  

不揃いなリズムは、それぞれの選手の個性のようでもあり
高鳴る鼓動の音にさえ聞こえる。

孤独な戦いの始まりは見ている者にさえ、期待と高揚感を与える瞬間だ。。。

震える手と滲み始める汗、そんな緊張感の中で自分のイマジネーションを出し切るのは
どんなベテランでも至難の技である。

選手が頼れるのは自分の手の感触だけ
どんなに辛い日があってもハサミとクシを
持ち続けた両手だ

その手は人前で出せるような美しさもなく
感覚をなくすほど酷使して、時には悲鳴を上げたことも
あるだろう

でも秘めている感性や努力は、動かしてきたハサミの数だけ
その手が覚えていてくれる

それは押し潰されそうなプレッシャーの中で大きな力と自信を
与えてくれるはずだ
時にその手からは見ている人が息を呑むような感動的な美しさが生まれる

戦いとはコンテストの場だけではなく、常に自分の中にあるものだ。
失敗を恐れず、辛さから逃げずに自分との戦いに勝つ者を待っているのが
頂点なのだろう・・・・

そして・・・

それはコンテストのような華やかなステージだけではなく
日常のサロンワークの中でも同じようなことだと思う・・・。