第三章 【汗水流して働け】
チラシを見て来てくれたお客様もいた。1000分の一の確率であったが、ありがたい・・・
嬉しくて涙が出た。 しかし、情けない気もした・・・。
商売として割り切れるならどんなに楽なことか。営業する度の赤字、不思議にヒマな店に
人は集まらないもの。そんな業界を知った時期でもある。スタッフの生活も
守らなければならない。
学校からいただく給料の全てをスタッフの給料に充当した。
でも、まだまだ技術不足でスタッフ教育にも遅れが出ていたので、焦りもかなりあった。
スタッフ教育にもお金がかかるものだ・・・。一人で気楽に営業してる訳ではないのだ。。
相変わらず中の島店、中央店、美容学校と三足の草鞋を履きながら走り続けた。
いわゆる掛け持ち状態だった。
今でも覚えているが、手が回らないときは中の島店のお客様を中央店に呼んだりすることもあったが、快く足を運んでくださった
お客様も多くいた。今でも感謝の気持ちで一杯だ。
一方で期待とは裏腹に給料日後、突然に行方不明になるスタッフや、「ビラなんて配りたくない・・・」去っていくスタッフもいた。
店を維持していく為に、店がヒマでも前向きに考えるなら人材の確保は重要である。「人・モノ・お金」全てにおいて追われる日々だった。
今迄が無知、怠慢?平穏すぎたんだろう。そんな状況に苛立ちもあったかと思う。
毎日が必死だった。 その度に中心街に出てくる時、父に言われた言葉を思い出す。
「汗水流して働け・・・」と。
そんなある日のことである・・・一筋の光が見えてきたのだった。
(続)
_________________________________________________________________________________________
※無断転載.複写をお断りしています。