Muranaka Diary2000-2017

【9周年SP】今日までそして明日から

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第四章 【ジェイコムの存在】

当時、タイタススキャット(現在はJ:COM)放送で空きチャンネルがたくさんあり、
RIBBONSのプロモーションビデオを朝から夜中まで流していた。
まだこのケーブルテレビは見られる範囲や世帯も限られていた。
内容は技術解説が中心で、カメラの前で淡々と切り続けて、
「ハイ、一丁上がり!」 な、感じだった。 

これは美容師向けの番組なのか?視聴者も戸惑うだろう。
いや、自分向けの番組。全てに自己満足だった気がする。
経営者としての自分と職人としての自分を切り離す場が
欲しかったのかも知れない。
何よりも自分の感性や納得のいくスタイルにこだわった。

今思うが贅沢な話だ。

そんな中、ジェイコムというブランド名になったと同時に、ぞくぞくショッピングチャンネルが増え続けていった。
次第に番組の放送枠が限られてきた。
その頃から番組の価値観を知り、「一般の人にも楽しんでもらえる”お茶の間番組”にしたらどうか?」
というアドバイスも受け、一般向けの技術を盛り込み、モデルさんとの会話を交えたものに転換してみた。
喋るのが苦手としているぼくと、モデルとの会話のバランスが取れなくても、それはそれでいいらしい・・・
いつものサロンワークのような雰囲気で、肩の力を抜いた番組を制作することになった。

カメラさんや編集の上手さが評価されていると聞こえてきた頃である。
RIBBONSの基盤となるお客様が次第に増えていた。年代にすると40〜60歳代の
お客様だ。

「あのモデルのようなヘアスタイルにして欲しい」。。。

ぼくには青天の霹靂、なんと技術が売れ始めた!技術とは感覚や感性が売れるに等しい。
時代に焦点があったかのようだ。これこそ自分が望んでいたものである。

すでに番組は「RIBBONS LIVE」 というタイトルで番組表に載るまでに
成長していた。

(続)

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