Muranaka Diary2000-2017

【9周年SP】今日までそして明日から

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第九章 【旅立ち】

突然訪れた二つの予期せぬ出来事は今までの人生の中でも、かなりのダメージとなっていた。
治療を続けてもなかなか思うように回復しない身体。もう、元にはもどれないのか?
残念だが、もう元の状態には戻れないようだ・・・。
焦りが無いと言えば嘘になるが、人生「山あり谷あり」そう思うように努めた。

それからいくつかの季節が過ぎていた。
重い荷物は背負ったままだが、もう自分の身体の一部と言っても
過言ではないハサミとクシを持ち続けることで、少しずつだが身も心も
また歩き出すことができた。
ジェイコム番組、RIBBONS LIVE の収録も楽しく振舞ってきた。
そうすることによってイヤなことも忘れていくものだ。

東京から隔月に来るドキュメンタリー番組のスタッフもたくさん励ましてくれた。
お客さまの温かい言葉、人の温もりは、とても有り難い。ぼくが失いかけていたものを
多くの人が思い出させてくれた。混乱の時期に我慢をして耐えてくれた久保には本当に感謝している。
ぼくの辛い体を気にしながら、負担をかけまいとして去っていったお客様を、いとも簡単に
手品のように、呼び戻すことは不可能かもしれないが、また新しい出会いがあると信じている。

人は窮地に追い込まれると、どうしても逃げたくなる生き物だ。逃げたら全てに負けてしまう。
だからこそ試練を乗り越えなければならないと思う。 
その選択肢は人それぞれで感じ方も、価値観も違うと思うが、長い人生の中で壁は必ずあり、
それは時間がかかっても決して乗り越えられないものではない。そう確信している・・・・
この、度重なる出来事に、次第に自分の気持ちが強くなりはじめていた気がしていた。

ところで、今迄に得た後悔しない人生の歩き方は三つほどあるので、紹介しておきたい。

それは・・・

「不平不満を言いながら壁を乗り越えていく」方法。

「気合と根性で壁を乗り越えていく」方法。

「感謝しながら喜んで壁を乗り越えていく」方法。

である。

若い頃〜現在に至るまで、ぼくが乗り越えてきた順番であるが、
どれをとっても後悔はしないものだ。
そして今、身に凍みて感じることは、、、、

“感謝しながら喜んで壁を乗り越えていく”

この生き方と波乱万丈な人生があったからこそ、最後に出せる答えでもある。

それが、新たなぼく自身の旅立ちでもあったのだった・・・・。

(続)

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