Muranaka Diary2000-2017

雪_img

26年前・・・

ぼくがロンドン、サスーンから戻り最初に開いたサロン、

RIBBONS1号店。

当時、ぼくと5歳ほど離れていた製薬会社に勤務されていた

OLさんがお客様で通っていた。

24日の日曜日に22〜23歳ほどの医学生を担当したのだが

「スタイルはいかがなさいますか?」

「全てをお任せしたいのですが・・・」
「ショートでも結構です。わたしに似合うスタイルにしてください」

・・・・・・・。

突然「昔、母がお世話になりました・・・」と言う。

「え?」

お話を聞いてすぐにピーンと記憶がその時代に戻ってしまった。

お母さんのことはよく覚えていて顔がわかる。

しかもお母さんが初めて来てくれたときと同じセリフだ!

「わたしに似合うスタイルを・・・・」

美容師というのは不思議と自分が携わってきたお客様を

かなり覚えているものだ。

「え!?お母さんは今どちらに・・?」

苫小牧だという。ご主人は苫小牧で開業医だという。

「さっきからメールしてたんですがヨロシクとのことです」

「母も近いうちに来るかと思います・・」

何故か嬉しさとお嬢さんのヘアまで担当できるなんて

頭の整理がつかない。しかも親子だから似てる!

「せっかくだから一緒に写メ撮ろうか?」

「はい!母も喜ぶかと思います。」

・・・・。なんと言うことだろう。。

しかし、ぼくは何年たっても自分が担当したお客様を

覚えている。近いことは忘れてしまうのに、遠い記憶ほど

新鮮に覚えている。特にお嬢さんの顔を見る度にお母さんの

昔の姿が浮かんでくる。。

不思議だ。。

苦しかったときこそ、支えてくださったお客様は永遠と

忘れることはないものだ。。。

なぜか嬉しく、感動的なものだった。

雪の降る夜、こんな夢のようなお話はとても似合う。。。

そして人のご縁は大切にしたいと思う・・・。

ありがとう