Muranaka Diary

2019.11.18

銀座物語

ここは銀座…

少し散歩して、3丁目方面へ。

PEEK -A -BOO銀座店の前で看板に一礼。

 

ぼくが、その昔インターンをしていた

山野愛子美容室 銀座店がある。

… な、はずなんだけど、この辺りはかなり

変わってしまった。。

レンガ通りを歩いても、違うなぁ。

もう一本仲通りのガス通りに、ラ.ヤマノ?

え?銀座本店?La YAMANO ?

まさかのココか?いやー、1世紀も超えると、

右も左も前も後ろもよくわからん。

とりあえずココだと思うけど、随分と

綺麗な街並み、建物は立派。。

ココで、毎日のように

 

「あなた、辞めた方がいいわよ」…。

 

耳にタコが出来たほど言われたなぁ。

不器用だけど、でも何とかここまで

やれたわ。。

迷惑も随分とかけたし、

当時の先輩達に感謝だなぁ。

ここにお世話になっていた頃、

毎日シャンプーの勉強だったけど

半年も合格しなかったのは、

ぼくだけだったらしい。

そして毎日のように朝7時に掃除していた。

そして毎日終電で大宮のアパートに帰った。

そして毎日のように辞めろコール。。

そして毎日のように辞めたくないと嘆願。

 

そんなある日の事だった。。

先輩がヘアショーの入場券をくれたんだ。

チケットには、

Vidal Sassoon.Fumio kawashima …

と書かれてあってカットのショーだった。

場所は確か、高級ホテルだったと思う。

カットはセット以下の技術に捉えられて

いた時代。ヘアカットよりも、

逆毛を立てられた方が偉かったんだから…

訳のわからないぼくは頂いたチケットと共に

開場2時間前に着いて並んで、

一番前の席に座った。。

 

… …

 

… …

 

ショーの内容は、

とても衝撃だった、鼻血が出てしまった!

このショーを観て、180度2回転半は気分も

ココロも変わってしまった!

サスーン氏や川島先生との出会いはそこから

始まり今でも忘れない。

 

翌日、先輩達が心から望んだ言葉だろう、

 

「ぼく、来月で店をやめます!ニカッ」

 

そう先輩達に伝えることが出来た。

先輩達は予期せぬ突然な事だったので、

びっくりして、今度は、

 

「辞めるな!」

 

なかなか辞めさせてくれなかった。

当時30円のジュースもおごってくれた。

飲めない酒の席も用意してくれた。

肩も揉んでくれた。。

辞める理由を聞かれ、

ロンドンに行くことだけを伝えた…。

 

みんな笑ってくれた。

 

「はあ?冗談はよしこさん…あははは!」

 

「シャンプーも出来ないキミがァ、お金も

無いキミがァ、

ロンドンやフランスなど、行ける訳が

あろう筈もない、アハハハ…」

 

「あははは、、、ホントですよねー」w

 

しかし、

ぼくの心の中ではしっかりと、

ロンドン行きを決めていた。

ぼくはこの通り頑固なの。。

 

あのような人になりたい…。

 

Vidal Sassoonも素晴らしかったけど、

その横にいた川島文夫先生のテクニックは

この世にない作品だった。そして一目惚れ。

 

「決めた!この人にもう一度会いたい!」

 

そして、どうやったらあのスタイルが

作れるのか、それが聞きたい!

当時は、ビートルズをよく聞いていたので

ビートルズに出会ったような、

エリッククラプトンやジェフベックにでも

出会ったようなショックと感覚が似ている。

国家資格も取りそれから3年後、

ロンドンのサスーンカットスクールに

一人で行ってしまった。。。

しかも片道チケット!入国は厄介だった…。

 

今の銀座はオシャレな街並み。

そしてぼくの背中を押してくれた街。

昔は飲屋街も多くあって、黒塗りの車が

高級クラブの前に並ぶ。

有楽町や新橋まで続く高架下の屋台が

赤提灯を付けて並んでいた。

今頃から手荒れが酷くなり、ハンドクリーム

を付ける指先は指紋も消えて、ひび割れが、

痛かったなぁ。

 

色々なドラマがあり、数多い思い出がある。

それは、

いつまでも色褪せる事なくぼくの心の中で

生き続けるのだろう。。

 

 

さてと…