Muranaka Diary

2020.06.30

早暁の月

午前3時、都会がまだ暗く寝静まっている頃、

ぼくは真夜中のドライブに出かける。

ちょうど山の山頂では明るく、空には

早暁(そうぎょう)の月が白く見えている。

その月と山あいから朝陽が登ろうとする光が

グラデーションを作り、何とも言えない天体の

光景を映し出す。

その色は、藍色、青、黄色、朱色、赤色…

藍色の中に白く輝いて見える月は本当に息を

飲むほど美しい。

そんな事に気がついたのはつい先日、

夜明けを待つ6月の半ばの事だった。

今まではその存在も知れず、

ただ頭上に輝いて足元を照らされて

いたのかと思えば、

何と平和ぼけをしていたのであろう。

 

人は時には当たり前のことを見落とす疎かな

ときがある。

しかし、一瞬の感動で物事に正直に

素直になって、振り返るその時が訪れる。

その気持ちに辿り着ける事が容易でなくなった昨今、

今一度、頭上を見上げて欲しい。

辛い時も、苦しいときも、

夜明けが来るようにのちに明るくなるのだから。

そして、数分後の未来を明るくしてくれるかのように

早暁の月は空に溶け込み、やがて静かに消えてゆく。

 

その光景に、心の中で思う事が多々あり、

何かしら言葉では表せない多くを気づかされる事があった。

今は、

与えられた事を一つ一つ誠実に積み重ねようと思う。

 

6月のこの早暁の月には心から感謝している。

 

 

ありがとう