Muranaka Diary

2018.09.06

星空の下で

とうとう携帯の電波が来なくなってしまった。
誰とも連絡が取れない。
孤立した無人島みたい。
こんな時に日々暮らしてきたことへの幸せを感じる。
 まだ街灯も付いてない、ベランダから見える建物の稜線が綺麗だ。
 ラジオはオフクロに持って行った。ライトも。
オレは動けるけど、オフクロは無理だ。
オフクロが住んでる所はオール電化の建物だからご飯が作れないみたい。
兄弟がそれに気がついて携帯ガスコンロを持って行ったらしく
カレーを作ったようで帰りに持たされる。「やっぱりガスはいいねぇ」だと。
子が親を思う気持ち、親が子を思う心、、、後ろ髪を引かれる気分で
自分の家に戻る。
音の無い静けさ、スマホのメモ帳を使ってこれを書く。
する事が無いしなぁ。眠たくないし。。
星空が綺麗だなぁ。生きてて良かった。。
 そしてこれは貴重な与えられた試練だ。オレに何が出来るんだろう。
無力さを感じる。それでもこの程度だなぁ。
東日本大震災にしても、九州、大分、熊本
西日本の豪雨災害、関西の台風被害、日本の何処へ行っても
災害のない所は無いだろう。
みんな涙しながら耐えてるんだなぁ。。
これでもこの程度、道は遮断されず、水道、ガスもある。
それに希望がある。これが道産子パワー。
みんな無事かなぁ。今思うのはお客様のこと。
遠くから聞こえる救急車の音、いつかココにも
来るかも知れないけど…
みんな無事でいてほしい。外の空気が冷たくなってきたなぁ。
どうしても送りたいショートメール、何度も送信するが
送れない。いつも5本立っている電波マークがないもん。
無情にも「送信できませんでした…」
何度も繰り返す。。
あの人に届けたい大切なメール。こんな時、人が欲しいものは情報だ。
一体、今はどんなふうになってるのか、まだ復旧しないのかな。
情報がない。あたり前に平和ボケしてきたから、慣れてないんだなぁ。
ネットにアクセスできない。これはどのキャリアも考えて欲しいなぁ。
せめてネットにアクセス出来てニュースが見れたらいいのに。
WiFiは使えないけど、携帯のアンテナが立たない。だから送受信がダメだわ。
野生の勘では一晩このままだろう。
復旧したらそれはそれで
忙しくなるんだ。冷蔵庫の掃除かなぁ。
先ほど夕方頂いたメールが2時間後に届いた!
無事だという返信が出来ないのも苛立つけど、まぁいいか。
暗闇の中で聞こえるのは秋の虫の鳴き声だけ。
キロキロキロ、、、そうだね、もう秋だよ。
十五夜は月末だったかなぁ、そんな雰囲気だ。
虫も、小鳥たちも、
よく台風の中生きてたなぁ。でも小鳥たちは今日は少ない。
台風で飛ばされたのかなぁ。みんなみんな無事でありますように。
冷凍庫の中のガリガリくん、よく見るとカリカリくん、
溶け始めてきたわ。
もう数時間で停電24時間目。
やっぱりみんな無事でいて欲しい。
一人ではない、日本中の人達が北海道を見てくれている。
ありがとうだなぁ。外に出てみた。午前1時30、町が真っ暗にゴースト化している。地球の終わりとはこんな感じなのだろうか。

街灯の無い世界、一つの灯りも無いお家、何しろ停電だもの、

セキュリティも止まってしまった。インターホンも必要ない。
灯りとは人の心を温めてくれるものだと感じる。
町を元気に明るく!とは、ホントだ。
町の灯りはココロの灯りでもある。

明日こそ灯りのあるお家が増えてますように。。